狩人戦記4~鮮血英雄・暗き器~

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もう季節は秋となる…。この時期はあまり狩りもはかどらない。 エルゼヲはゆっくりと、瞼を閉じる…。 外からわずかに聞こえる…少年の声…。 昔から…いつからだったかはとうの昔に忘れてしまったが、あの少年は…よく俺になついているな…。 そう、エルゼヲは思いかえしていた。 だが、別にそれが自分の人生にどうこう…ということはないのだが。 外で友達…だろうか。元気に遊び回る少年。 僅かに目を開いてみていたが…やがて目を閉じて、下を向いた。 長い、髪がたれさがり、その顔は髪に邪魔されてみることはできない。 そして… エルフィスとその付き添いの男が狩りに出かけてわずかたったかろ…。 遥か上空…二つの<炎龍>の姿が…あった。 村を、破滅へと導く序曲…。赤と青…王と妃…。灼熱と粉塵。 恐怖…。 何も知らない村人…。エルゼヲをもまたしかり…。 そして、エルゼヲは…喜怒哀楽の…哀をしる。 哀しみ…を。この後…確かに知ることになる。
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