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「エルゼヲ:……。」
エルゼヲの目が開く…あたり一帯は炎がまきあがる…。ごうごうと燃える村…森…。
地面でさえ、火で赤く見える。
「エルゼヲ:…」
身体が痛む…髪が焼けこがれる…。粉塵爆発…体が…。
まだ、炎龍達は…いる…。
無意識に…エルゼヲ=カイツはただただ、膝をおとしたまま…パチパチと音をたてる炎の中を…無気力でいた…。
感情などない…俺には…なにもできない…。
だが、炎龍の方角…炎龍達の叫びが聞こえた…。
そして次の瞬間には二体が遥か上空に悲痛なる痛みの声を挙げながら、飛んでいってしまった。
「エルゼヲ:…。」
疲れたような…なんとも無気力な表情でそれを見上げた…。
周りはさらに火が広がる…。地獄の豪火…それは自分を飲み込んでくれる…。
だが、その時…炎の向こうから…何かが…人影が現れて…こちらへ向かってくる…。
「エルゼヲ:…。」
それを見るエルゼヲ…口が僅かに開き、影は段々近くに現れて…。
炎のなか…眼前に現れたのは…。
グアァアッ…。
地獄の豪火を打ち破り…火の粉を髪や体にちらつかせながら…現れた男。
髪が、チリチリと燃えながらも…。現れた…。
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