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『お掛けのなった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が――――――』
携帯からはそんな音声が繰り返し流れている。
「変ですね、父のはいつもは繋がるのに」
いやな予感を感じた正徳はすぐに東京に戻ることを提案した。承諾されるや、彼らは澪龍らに周囲の警戒をさせながら車に戻っていった。
「ん………??」
神原は例の視線を感じた。車まで後もう少しであるのだが、どうも視線を無視することができなかった。その視線は、どうやら澪龍達には分からないらしい。
神原はふと、足元に何か固いものが当たった感触がした。眼線を足にずらしてみれば、白い何かに包まれた小石であった。
「神原ー!早くしろー!!」
吉倉に急かされた彼は、ひとまずそれをポケットの中に突っ込むと車に急ぐことにした。彼も、このままこの場所にいたら命の危険があると感じたらしかった。
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