プロローグ

3/12

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
いきなりだったため、魔法を使ったりかわしたりする暇などなかった。 [やられる…!] 恐怖に目を閉じた。 『ドゴン!』 ものすごい音がした。 が、シュリアに痛みはなかった。 「がはは、大丈夫か?」 「…え?」 突然声をかけられ、恐る恐る目を開けてみると、そこには一人の男がいた。 よくよく周りを見渡してみれば、少し離れたところに黒い物体、魔物がぴくぴくとけいれんをして倒れていた。 「あ、助けてくれてありがとうございます」 状況を理解し、御礼をいうと相手は、 「がはは、まあ気にするな」 と、いった。 豪快な人だなぁというのが、相手の第一印象だった。 「がはは、それでお前はここで何をしているんだ?」 シュリアは、自身が迷子であったのを思いだした。 「あ、実は道に迷ってしまって…」 シュリアは、この人なら何か知っているだろうと思ったのだが、 「がはは、お前も俺と同じか」 「え?」 相手の予想外の言葉に、ものすごい変な声で聞き返してしまった。 「がはは、まあ何とかなるだろ」 あっけらかんと答える相手に対して、シュリアは先程よりいっそう悲壮感に溢れていった…
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加