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落ち込んでいるシュリアに対し、相手は全く気にも止めずどんどんと進んで行った。
あれからすぐに相手は、
「いくぜ」
と一言だけ言い、歩き出した。
歩くといってもとても速く、しかもどうやら適当に進んでいるらしい…
進めば進むほど森が深くなり、シュリアの気分も沈んでいった。
『ガサガサッ!』
不意に、先程と同じ音がした。
嫌な予感のするシュリアが、顔を音がした方に向けるとそこには、
「嘘でしょ…」
先程と同じ黒い魔物が、数十匹程いた。
「がはは、ようやく見つけたぜ」
シュリアは、男の言葉など耳にも入らず、ものすごい量の魔物に腰を抜かし、地面に座りこんでしまった。
『グルゥゥゥゥ!!!』
魔物はうなり声をあげ、シュリア達をいかくし始めた。
シュリアは腰を抜かしながらも、魔物を見たまま腕を使って、ゆっくりと後ろに下がっていった。
しかし、
『パキッ』
うっかりして、近くにあった木の枝を折ってしまった。
『グオォォォォォォォ!!!』
魔物達は、その音が聞こえると同時にシュリアに飛び掛かって来た。
「キャァァァァ!!」
甲高い叫び声が辺りに響き渡った…
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