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「やめておいた方がいいわよ。たぶん生きて帰れないから」
女性の声が聞こえてきた。
俺は驚き、声のするほうに顔を向けた。そこには20代後半ぐらいの女性がいた。女性は長身でスラッとしているモデルのようだ。
顔はキリッとした目に筋の通った鼻筋。全体的に大人の女性の色気を漂わせている。
着ているスーツは大人っぽさをさらに強調させていると印象付いた。
「生きて帰れない?」
俺は女性に尋ねた。
女性は不思議そうな表情を浮かべながら答える。
「知らないの? ここにはここら辺を仕切っている【drag(ドラッグ)】って奴等が住み着いてるのよ。奴等は誰だろうと容赦なく殺すわよ」
「…っ…そんなっ」
上手く言葉がでない、此処は俺が住み慣れたあの街じゃない。
外見が同じだがまったく違う街だ。そんな妄想じみた事はありえないけどこれが現実だ。
そんな事を考えて、視界が暗転した。
blackout
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