街並み

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手をひかれながら歩くと、俺がいた街と同じだとつくづく実感させられた。壊れた所があるが殆んど変わらない。 「何処に行くんだ?」 今さらだけど一応聞いてみる。 サナは前を向いたまま話し始めた。 「秘密基地。私の仲間がいるの……早く行かないとゲームに巻き込まれるわ」 サナが少し足を速める。 速めたと言っても男の俺にとってはそれほど速くない。 それより、よくヒールでそこまで速く歩けるなあと感心してしまった。 しばらくすると、ファミレスの前で足を止めた。 「ここ、ファミレス……だよな?」 自動ドアに近づいた瞬間、横からこめかみに冷たい物が当てられた。俺は驚き横を見ようとする。 「コッチヲ見ルナ」 「!?」 カタコトの日本語が聞こえたと同時にカチッという音がした。 もしかして銃?……この世界、銃刀法違反とかなさそうだし……。 青い顔をしていると、サナが此方に向き直った。 「その子は私の知人よ。手荒なまねはやめて」 「……ッチ」 この人舌打ちしたよ! サナさんがいなかったら殺されてたよな……。 銃らしき物がおろされ、横を見ると黒いスーツを着て、右目の所に包帯をまいた男がいた。 俺の視線を感じ取ったのか男がこちらを見た。 「怪シイ行動ヲトッタラ殺ス」 左目で睨まれ、俺は身震いした。なんで俺ばっかり……!
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