序章

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「あ、あのう…」 僕は言葉が続かなかった 「わたるくんか?」 えっ? なぜわかったんだろう? まだ名前も言ってないのに しかし 「はい…」 僕はとっさに返事をした 「あははは。わたるくんは電話苦手なんかな?いいよ、聞いていてくれれば。俺、今度の木曜日休みなんだけど、わたるくんの都合はどうかな?」 「こ、今度の木曜ですか。えーと…」 もちろん、週末以外は仕事だった。 しかし、会えないとは言えなかった。 言葉がまたつまった。 するとヨシさんは 「わたるくん、仕事なんかな?いいよ!じゃ今度都合つくときに会おうか!俺が週末休みの時でもさ!」 「い、いや!時間ありますから、会いましょう」 とっさに返事をした。 僕はすごく危機感を感じたからだ。 これを逃すともう会えないかも知れないと思ったからだ。
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