鮮血

4/5
58人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
  俺は怒鳴ろうと開きかけた口を閉ざし、視線を逸らした。 己の失態に酷く後悔しながら。 「……なんでも、ない」 「ンなわけねぇだろ。…紘弥(わたみ)」 「……、……」 強い口調で名前を呼ばれ、ひくりと喉が震える。 「…あぁ」 紘悧はすぐさま俺の急激な態度の変化の原因に気付き、にやりと目を細めながら笑った。  
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!