─1章 ライバル登場?─

4/13
917人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
お嬢様をお送りし、お屋敷へ戻った私はローレン様に報告する為、執事長室へ向かう。 「入ります!」 私が執事長室に入ると─ 「おや?ノーボル、お疲れ様でした・・・」 窓を眺めるローレン様はこちらを向いた。 このお方、ローレン様こと、旦那様の最も信任厚き執事であらせられる『ローレン=ガルト』様であります! 「お嬢様はどうでしたか?」 ローレン様は私に問う。 「はい、最近は文句も言わずに登校しておいでであります」 「そうですか!それはさぞ旦那様もお喜びになるでしょう!」 嬉しそうなローレン様! 「ええ、お嬢様には今の状態を維持または向上させてもらいましょう」 私が提案すると─ 「よろしく頼みますよノーボル!」 ローレン様は目をキラキラとされながら期待する! 私はそんなローレン様を見て─ 「そ、そんなにご期待をされましても・・・」 と、苦笑いでお答えしました・・ その後、用件を終えた私は─ 「それでは用件終わり!戻ります!」 一礼して執事長室を後にした・・ 次にお嬢様をお迎えに上がるまで自由時間の私は、居室に戻る途中ふと思った・・・ この間の事件で私は瀕死の重傷を負い、ロクに体を動かしていない・・・ しかも女性陣による過度の食事介護での体たらく・・・ いても立っていられなくなった私はそのまま中庭に出て、剣術の鍛錬をする事にした! まずはおもむろに抜刀! と、同時に抜き打ち様の袈裟掛け! そして中段の構えをとって気迫を込めつつ─ 「ふんっ!」 一歩前へ出ながら気力を充実させる! 次に振りかぶったその時─ 「ノぉ~ボルさ~ん♪」 フリージアさんの何とも甘い声がする! その声を聞いた私は─ 「ふぁあぁ・・・」 一気に気合いが抜けた・・・ まるで風船の空気が抜けるが如く・・・ 「こんなんでは鍛錬になりませんよ・・・」 独り呟きながら納刀する私・・・ するとそこへフリージアさんが来られ─ 「ノーボルさん、良かったらお茶にしませんか?クッキー焼いたんです☆」 ニコニコと楽しげに言われた・・ 「あ、ありがとうございます」 結局私はフリージアさんについて行く事にした。 中庭を出て外柵沿い回り、反対側のお庭に行くと─ 「あら、ノーボルさん」 既にメリッサさんが準備しておられた。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!