313人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日、やらかしました。
僕はいつも通りにお菓子をマイバックに詰め込み、雑誌コーナーへ。
彼女は居ました。
こちらを見て薄笑いした後、また雑誌に目線を戻しました。
…しまった。
すっかり忘れていました。
と言うよりは習慣です。
彼女は彼が隣に立つと、こう言った。
「今日は緑よ」
「………?」
彼女が店を後にした後、雑誌を開いた。
すると、ラッキーカラーは緑。
…何故解ったのか。
僕の頭の中はその日、その疑問で一杯でした。
結局解りませんでした。
また次の日…。
またまたやらかしました。
長い間根付いた習慣はそんなに易々と変える事が出来ない様です。
「……………!!」
…………しまった。
「今日はピンク。良かったわね、好きでしょう?ピンク」
「そりゃあもう」
これが初めて彼女と会話をした瞬間。
同じ学校の生徒と会話をしたのはどのくらい振りだったか。
彼女は総司がピンク色が好きだと言う事を知っていた。
和えて言うならばそれは誰でも知っていた。
彼はピンクのゴムを付けている日には必ずと言っていいほど鼻歌を歌っている。
不自然な感じで。
この日も考えた。
彼女の正体は一体何者なのか。
そして結論、彼女は読心術の持ち主…それか透視が出来るのだと言う根拠のない結論にたどり着いた。
自分の出した答えに満足した。
ベッドに寝転がり、見える月は満月だった。
とてもすっきりした気分で眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!