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ーーーーージジジジジジジジ…
僕は毎日朝6時に起きる。
別に何もする事はない。
そして8時までぼぅっとする。
うそ、正確には5分前になったら着替える。
そしてそのまま家を出る。
家族はいない。
本当はいるけど。
両親と兄が一人。
…一人だったよな?
今両親は海外へ単身赴任。
兄貴は大学の寮。
あっ、僕今17歳。
たぶん高校二年生。
至って健全な。
そんなこんなで今は一人暮らし。
ついでにA型。
…聞いてないか。
家を出る時、玄関の前で立ち止まり、時計を見る。
秒針がてっぺんに来た瞬間に扉を開ける。
これは一人になってからの日課。
玄関にあるクマの置物に「行ってきます」をする。
毎日じっと見つめられている錯覚に陥る。
離れるのが名残惜しくなる。
意外と寂しがり屋なんです、僕。
毎日同じ風景。
歩いても歩いても。
途中でコンビニに立ち寄る。
毎日カゴ一杯のお菓子をごっそり買い込む。
それは僕の一日分の食料。
そして僕の生活費の半分を占める。
店の店員も学校の奴らも初めは不思議な顔で僕を見た。
今では日常。
学校まではそれから電車で十分。その後徒歩で五分。
学校では好きな時に勉強して、好きな時に寝る。
お菓子も好きな時に食べる。
割と適当…あ。
自由な学校で感謝している。
そんな僕も自由人。
やりたい時にやりたい事をする。
生憎、協調性とか団結力とかは持ち合わせていない。
勿論、部活などの活動をする者の気持ちも皆無だ。
そんな僕は何故かクラスの人気者。
主に鑑賞用。
でもごめん、僕にとっても君たちは鑑賞用。
退屈な学校生活には無くてはならない。
大好きなお菓子の次くらいだけどね。
学校が終わると勿論、すぐに帰宅。
出迎えてくれるクマの置物に「帰ったぞ」と挨拶は忘れない。
着替えてベッドに横になる。
ヘッドホンをつけて。
曲など流れていない。
目線を少し上目遣いにして、窓から見える雲を眺める。
外が暗くなるまで。
7時、残りのお菓子を食べる。
切らしてしまった場合は仕方なく買い置きのカップ麺。
買いに行くのは面倒臭い。
背に腹は代えられない。
仕方ないのだ。
そして風呂に入って寝る。
お気に入りのウサギの人形と。
だから、僕、寂しがり屋なの。
そう、これが僕。
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