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ある日、僕は思った。
駅のホームから見る風景。
代わり映えのしない。
女子高生やサラリーマン、いかにも怪しいサングラスの兄ちゃん。
僕は怖くて近づけず、いつも少し距離を置いて眺める。
…………変わらない。
目を閉じる、しばらくしてまた開く。
やっぱり変わらない。
…変わるはずないか。
その時思った。
周りが変わらないなら僕が変わればいいのだ。
安易な考えだ。
その日は一日ご機嫌。
どの様に変わろうか…と。
自然と顔がニヤついた。
そんな彼をクラスのみんなは見守った。
「ついに頭がおかしくなったか…ご愁傷様」と。
しかし彼には関係ない。
久々にわくわくしていたから。
彼の名前は岸田総司。
昔はもう少し良い子…真面目で決まり事は忠実に守る生徒だった。
今では前に紹介した通り。
興味のない事には至って無関心。
忠実に守るとすれば朝のコンビニで毎日立ち読みする雑誌の占いくらいだろうか。
この男、迷信や占いなどには滅法弱い。
この日も占いに忠実に帰りは回り道をして帰った。
普段ならば三十分もあれば帰れる道を一時間かけて。
そう、ただのアホです。
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