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15分後……
『会長候補』
城ヶ崎麗紗:18票
山岡 陽兎: 9票
水嶋 千夏: 7票
佐川 由摩: 6票
『副会長候補』
城ヶ崎麗紗:22票
奥村美花子:12票
山岡 晶人: 5票
牧村亜実香: 3票
という結果が出た。
40人のクラスの全員が麗紗をどちらかに指名したことになる。
「麗紗には会長候補で出てほしい」
「やっぱり副会長だよね」
等と様々な声が飛び交う。
このままでは収集が着かない……。
「麗紗はどうしたいの?」
不意に響く声。みんなはっとしたように麗紗と声の主を見る。
「私は、麗紗が決めるべきだと思うよ。会長にしろ、副会長にしろ、どちらかに麗紗が出るなら……。それに、投票だけど麗紗は選挙に出てもいいの?」
声の主、美花子は真剣な表情で麗紗を見つめる。そしてクラスメイトも麗紗の言葉を待っていた。
「私は……皆さんが私を選んで下さった以上、選挙には出たいです。それから、どちらで出るかは……副会長の方が票が多いので副会長候補として出たいと思うのですが、会長に私の名前を書いて下さったみなさんや、美花子、晶人君、亜実香に入れた皆さん、私が副会長で出ても宜しいでしょうか?」
その瞬間、ワッと拍手が起きた。クラスの意向を汲み取り麗紗が選挙に出るということが、みんなにとって嬉しかった。それに、どちらになっても麗紗なら適している。何よりも麗紗本人が決めたことだから。
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