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「会長候補なのですが、名前が挙がった3名でもう一度投票してもいいですか?」
「いいでーす」
「では、紙を配ります。」
紙を配り終え、15分後に回収、そして開票。
結果……
山岡 陽兎: 13票
水嶋 千夏: 11票
佐川 由摩: 16票
「結果、佐川由摩ちゃんになりました。由摩ちゃん、会長候補として選挙に出ますか?」
「わ……私!?……」
由摩はまさか自分が選ばれるとは思っていなかった様子。
「私は……今まで人の上に立ったことなんてないし……麗紗ちゃんみたいにみんなをまとめる力なんてないし……会長なんて……」
由摩はうつ向きながら話した。
由摩はどちらかというと“大人しい”部類に入る。表立つというよりは裏で頑張って支えるタイプなのだ。
「私にはみんなをまとめる力なんて無いわよ」
不意に麗紗が発した言葉に、みんなが麗紗を見る。
「皆が私を推薦してくれたからクラス委員になったわ。でも、ただそれだけ。委員として集まりに出たり、ホームルームの司会をやっただけよ。実際は2ーAみんなが協力してくれたから私はクラス委員としてやってこれたの。一人でだったらとっくに挫折してるわ。だから、私がまとめる力を持っている訳ではないの。」
しばし沈黙が流れる。
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