妖怪と少年

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 お気づきの読者諸賢もいることとおもうが、この話の最も恐ろしく不可解な部分とは、「妖怪」という非日常的存在が日常的に語られ、その本人の中でもなんら破綻することなく生きづいていることである  まあ、どれくらい日常的かは、 「CoCaくん、○○○は見たことある?」  上記「」内の○○○に、ちょっと珍しい動物、映画、絵画のタイトルを入れてみて頂ければわかると思う  あるいは思い切って男性器、女性器の俗称など入れてみれば、その用法もグッと広がることと思う(なぜ  この日常会話的気軽さでJ太郎は続けた 「CoCaくんはトイレ入るよねえ?」  あたりまえであろう  当時、幾ら田舎であっても、野外で全てを済ませる者など居はしないし、そういう者がいたら明らかに変人であるか、隣組または行政の指導が入る  ちなみに私は辰巳で産湯を浸かり、渋谷で育った江戸っ子である  トイレに入る?などと訊かないで欲しいと言いたかった  しかし、私にはJ太郎の意図するところが掴みかねた  まあ、J太郎の言葉遣いが可笑しな方に1万ガバスで間違いない話ではあるが、まだ余り親しくもない状態では致し方ないであろう 「入るよ」  私はいやいやながら応えた 「トイレに入るまでは出そうなのに、入ると全然出なくなるときない?」 「あるね」  いきなり、次回へ続く
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