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椎南
「ほら行くよ海結!」
海結
「待ってよお姉ちゃん~」
椎南
「じゃあお母さん、行ってきます!」
海結
「行ってきまあすっ」
椎南(M)
「見慣れた道並を妹の海結と歩く。昨日と変わらないこの木々の香り。私はこの街が大好きで、この平凡な毎日が本当にかけがえのないものだ。」
櫂里
「おはよう椎南、海結ちゃん。」
椎南
「櫂里!おはよう!」
-心の底から嬉しそうに-
海結
「櫂里お兄ちゃんだあ!!」
櫂里
「2人とも朝から元気だね。」
椎南
「それだけが取り柄ですから。」
-笑顔で優しく-
海結
「取り柄取り柄~♪」
椎南
「あれ?そういえば壱夜は?」
櫂里
「ん、あいつは日直。」
椎南(M)
「壱夜とは、私と同じクラスで、櫂里の双子の弟。頭が良くて優しくてかっこよくて誰からも好かれる櫂里とは違って、壱夜は腹黒いしムカつくし暴力的だし……まあ頭だけはいいみたいだけど…。」
-櫂里の話は愛しさをこめて、壱夜の話はどうでもよさそうに-
櫂里
「…椎南…それは…?」
-椎南の首にかけてある宝石を覗きこむ-
椎南
「ん?ああこれ?昨日屋根裏の掃除してたら見つけたの。キレイでしょ?お母さんの話によるとお父さんの形見らしいんだ…」
-宝石を眺めながら寂しそうに、でも嬉しそうに-
櫂里
「お父さんの…?」
-宝石にふれ、考えこむ-
椎南
「どうかした?櫂里…」
櫂里
「いや、なんでもないよ。キレイだね、大事にしなよ?」
-優しい笑顔で-
椎南
「うん!!」
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