第三章:剣魔

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ラウル「お前!!」 ラウルが立ち上がり、アベルの胸ぐらを掴んだ。 ラウル「それを黙って今までエレナと一緒にいたのか!」 ビリー「ちょ!ちょっと辞めろよ。」 ビリーがラウルを取り押さえた。 ラウル「てめぇはここにいる奴を皆…… イヤ!ガーデンの連中皆を騙してるんだぞ! 今まで友達だと思ってた俺やエレナはどうなるんだよ! なあ!何とか言えよ!」 アベルは黙ったまま下を向いている。 微かに悲しげな顔をしている。 エレナ「ラウル……最後まで聞こうよ。」 エレナがラウルの肩に手を置き、行った。 ラウルは暴れるのをやめ、椅子に座った。 エレナ「続き……話して………」 アベル「任務を終えて、俺はそこで正気を取り戻した。 体に大量の返り血を浴びて、手には血まみれのデュランダル…………… 俺はその場で自分を殺したくなった。 そして剣を喉元までもっていった時、寝ていた女の子が目を覚まして目が合った。」 カズヤ「それって…………」 アベル「ああ、エレナだよ。 俺は慌てて逃げた………… 帝国に戻る気がなかった俺はそのまま家に帰ろうとした。 当然、追っ手もやってきた。 そして、やっと家についてドアを開けた…………」 その言葉の後、アベルは黙り込んだ。 ミネア「どうしたのよ?」 カリナ「それから、何があった?」 アベル「家の中は至る所に血が飛び散っていて、父さんと母さんが殺されていた。 そして机の上には置き手紙があって、 [妹の命が惜しければ本部まで来い。お前を殺したりはしない。] と書いてあった。」
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