第三章:剣魔

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ザザ~… 一番に部屋を出て行ったアベルは波打ち際に立っていた………………… アベル「……………」 もう……楽しく過ごすことはできない。 皆から悪魔を見るような目で見られ、一人だけクラスから孤立してしまうだろう。 いつかは………と覚悟していたがこんな前フリなしに正体を明かすことになるとは………………… エレナに何と言って良いのかも分からない。 ビリー「よ!どうしたんだよ。つまんない顔してよぉ。」 驚いて振り返ったアベルはその光景に驚いた。 アベル「皆………」 アベルを追いかけたのはビリーとカズヤだけだったはず。 だが、そこにはラウル達の姿もあった。 カズヤ「あんなにつっ掛かってたラウルも君が心配なんだってさ。」 ラウル「バ、バカ!それを言うなって!」 恥ずかしそうにしているラウル。 アベル「ラウル……………」 ラウル「さっきは悪かったな。お前もお前なりに辛い体験してたんだな。 確かに俺達を騙してたのは事実だけどそんなんで友情まで無くなったりはしねぇからよ。 今まで通りやっていこうぜ。」 ラウルが右手を前に出した。 アベルはその手をしっかり握り、皆に言った。 アベル「皆………黙ってて悪かった………」 皆は小さくほほ笑んだ。 ミネア「あ~あ、これで私の成績の順位が一つ落ちると思うと…………微妙ね。」 メイリン「………確かに………」 カリナ「カズヤ………もしかしたらベッタになるんじゃ………」 皆………哀れむような顔でカズヤを見た。 あからさまに落ち込むカズヤ。 その顔がとても滑稽。 そんな顔を見て皆は爆笑した……… そうだよ……… 皆はそんな下らない奴等じゃない。 皆………仲間なんだ。 仲間の有り難さをしみじみと噛み締めたアベルであった。
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