第三章:剣魔

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エレナ「そう言えば今の髪の色茶色よね?黒から染めたの?」 アベルの長めの髪を触るエレナ。 アベル「うん。髪の色が変わればそう簡単に顔はバレないからな。」 エレナ「ふ~ん………………それにしても男にしてはサラサラな髪してるわね。」 依然としてアベルの髪をいじるエレナ。 アベル「クセなんだよ…………」 エレナ「クセ?」 アベル「返り血を落とすために丁寧に髪を洗ってたんだ………… 今も丁寧に洗わないと落ち着かなくてさ。」 アベルの横顔がどこか寂しげに見えた。 エレナ「色々大変なんだね。昔も今も………」 アベル「そうだな。あの時はまた戦争が起こるなんて思っていなかったし。 卒業すればまたこの手を血に染めることになるんだ。 しかも、今回は俺だけじゃない……… 君や……他の皆も……… 止めれるのなら止めたいよ…………」 ひどく深刻な顔のアベルをエレナは黙ってみていた………… アベル「あ"!」 突然立ち上がったアベル。 エレナ「どうしたの?」 アベル「飯だ!」 アベルはタンスの上にある時計を指さした。 エレナ「あ"!」 アベルと同じような声を出してエレナも立ち上がった。 アベル「バルザックのせいで昼飯食えなかったもんなぁ。そろそろ腹が鳴る…………」 グゥーー……… アベル「もしかして………」 顔を真っ赤に染めてうつ向くエレナ。 そんな彼女を見てクスクスと微笑がもれた。 アベル「正直な腹だな。」 エレナ「は、早く行こう!皆待ってるわ!」 エレナは顔を真っ赤にしたまま部屋を出た。 アベル「ただ腹が減ってるだけなんじゃ……………」 エレナ「あ"?なんか言った?」 アベル「い!いえ!何でもありません…」 アベルはエレナの後ろを怯えながらついていった。 食堂には皆が揃っており楽しく会話しながら食事をとった。
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