第三章:剣魔

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先生「皆!聞いてくれ。突然だが、今夜一人一人演習場に来い。 明日からの練習相手を決めるために私に実力を見せてもらうぞ。」 カリナ「明日からって…………バルザックに襲われたのにまだ合宿するんですか?」 今日は撃退に成功したが、バルザックがこの施設を破壊したいと思ってるのは事実。 今度はさらに強力な部隊を送り込んでくるやもしれない。 そうなればアベルと先生だけで皆を守りながら戦うのは容易なことではない。 先生「こんな言い方をするのはなんなんだが…………あちらはこちらにスカーレットがいるのを知っていた。 知っていながら部隊を送り込んで来たということはあの部隊が今、遠征させられる手いっぱいの部隊なんだろう………。 そうじゃなければ統一前に皆が恐れたシャドーの刺客を相手にあの程度の部隊を送ってきたのに筋が通らない。 そうだろう?スカーレット。」 アベル「そのとおりですね。残りの合宿期間中にバルザックが襲撃してくる確率はほぼ無いでしょう。」 一同「なるほど……………」 皆が納得したようだ。 先生「じゃあ、これで解散!最初はフジワラ!君から来なさい。」 カズヤ「了解です。」 皆は部屋に戻りそれぞれ休養をとっていた。 ラウル「実力見るって言ってたけどお前の実力も見るのかな。 充分に撃退した時に見たと思うけど。」 アベル「まあ、いいんじゃないか。実力見せたって俺の目的はあくまで指導だから…… 誰かを叩きのめしたりは無いからな。」 ビリー「今のお前からそういう言葉聞くと妙に説得力あるな……」 アベル「今まで隠してた分、お前らだけにでも[俺]という人物を見せて行くつもりだからさ…………」 ラウル「やっぱり………隠して生きるのって辛かったか?」 アベル「ああ、たまらなかったよ………」 そう………どれだけ辛かったか……… ありのままの自分を出せずにもう一人の自分を無理矢理作る。 下手な拷問より辛かった。
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