第三章:剣魔

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シュン!……… 先生「なっ!」 攻撃が当たる寸前で今までとは比べものにならない速さでアベルの姿が消えた。 先生「どこに行ったんだ………」 気配すら感じることができない。 しばらく沈黙が続く……… ラウル「先生!後ろ!」 ズシュン! 先生「くっ………」 アベルの攻撃が先生の腕をかすめた。 ラウル「クソッ!」 先生はアベルには勝てない。 それを今、目で見たラウルは急いでアベルに向かって走った。 鎮静剤をうつために………… 先生「バスター!」 ラウル「俺が薬をうちます!」 先生「駄目だ!危険すぎる!」 先生の言葉も届かずラウルはアベルの前に立った。 ラウル「来い!アベル。俺が相手だ。」 ラウルの手には注射器が……… アベル「………バカが………」 アベルの目がラウルを捕らえた。 シュン! アベルが再び姿を消した……… ラウル(落ち着け………集中しろ………全神経をぶちあけるんだ…………) ラウルは目を閉じた。 アベル「オワリ………ダ…………」 フゥ……… ラウル「っ!」 アベルの剣が 空を切った。 アベル「!!!!!!!!」 先生「まさか…………見切ったのか……あのスピードを……」 アベルが姿を現した瞬間、剣先を見切り躱した。 ブスッ………… 注射器がアベルにうたれた。 ラウル「ったく!死ぬかと思った………やっぱすげぇなぁお前は…………」 アベル「助かった…………ありがとう。」 アベルが正気を取り戻した。 汗だくでひどく疲労している。 先生「なるほど………副作用があるのだな。」 アベル「普通の3・4倍は体力を失うんです。」 そうクールに言うアベルだが、息を切らしている。 先生「なるほどな………」 先生が何かをメモ帳に書いている。 表紙には[対剣魔戦闘法]と書かれていたが、アベルとラウルはその文字に気がつかなかった。
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