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―ベース組―
※語り:滝川法生
渋「それでは加藤さん、事件について詳しく伺えますか?
たしか撮影中に閉じ込められて出火してしまった。」
幼「はい…。
最初は撮影が始まったんだと思って演技を続けてたんです。
でも撮影で出火するはずだった場所とは全く違うところから火が出て来て…
出ようと思ってもドアが動かなくて…鍵はかかってなかったんです。
だんだん苦しくなってきて…意識が朦朧とする中ドアが開いて何とか助かったんです…。」
思い出しながら話す幼菜の体は小さく見えた。
だが目はしっかりとナルを見ていた。
渋「広瀬さんによると加藤さんが何かを叫んでいたということなのですが、一体何を?」
幼「っ…それは…」
滝「…幼菜?」
幼菜は突然俯いて自分の服の裾を握り締めた。
渋「加藤さん、話してください。」
滝「おい何も無理矢理言わせなくても「あたしっ!!」」
俺の言葉を遮るように幼菜が口を開いた。
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