蚊の学校

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「そして、危険なのであまり勧めはしないが、簡単に血が吸える時がある。夜寝ているときだ。ヒトに気付かれはしないが、たいてい『蚊取り線香』がある。あの煙を吸うと体が麻痺し、運動能力が著しく低下する。外へ出られたら良いが、出られずに煙を吸い続けると死に至る。さらに耳元を飛ぶとその音でヒトは起きてしまう。もし起きると蚊取り線香を焚くか、蚊を殺しにかかる。なのでこれは熟練してからにしたほうが良いだろう。先生は夜に血を吸いに行ったきり帰ってこない蚊を何匹も知っている。君達はそうならないようにここでもっと勉強して、蚊として一人前になってからにしなさい」 先生は気を緩めたように一呼吸するとまた話し始めた 「まぁ最初に話したことは前回の実習でもよく分かったと思う。今日の実習は服を着ていても血を吸う方法だ。ヒトが背中を丸めたときなど、服と肌が引っ付くときがある。そのときに血が吸える。服には糸と糸の間に小さな隙間があり、そこから吸える。」 先生が布を広げて出した 「よく見てみろ。そこら中に穴があるだろ。ここに刺せば簡単に吸える。まぁ実際にやってみれば分かるだろう。よし、行こうか」
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