#1 猿人

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  『トゥルルルル……』 決めたことはすぐ実行。 あたしは電話の受話器を手に、知ってる番号にかけていた。 カチャリ、 軽い音がして相手方の人が受話器を取る。 『はい、シノヤマです』 「もしもし、砥部ですけど…ケンタ君居ますか?」 『あ~、うん居るよ。ちょっと待っててね』 保留メロディが鳴る。 誰の趣味なのか、ドナドナだった。 ――暗いよ!などと思っても仕方ない。 ピ、という機械音を聞いた次には、いかにも怠そうなケンタの声が聞こえた。 『千夏……なんの用?』 朝から失礼な奴だと思う。 しかし、仕方ない。 遅刻魔の彼は休日は常に寝ているのは調査済みである。 「おはよっ☆今日遊べない?」 『あぁ…?めんどい』 ケンタがため息を吐くのが聞こえる。あたしは抗議した。 「めんどくない!このままじゃニートになるよ!!」 『ならねぇよ』 「なるからっ!…マル〇ョクに10時。絶対来てね?」 『はぁ?ちょ、待てって――』 ガチャン。 強制終了させた。 さて、次にいくか。  
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