オマケ Ver.1

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  ぎゅ、と。 あたしは自身の腕を強く掴んだ。爪が柔らかい肉に触れる。 寒い。 実際にどうなのかは全くわからないけれど、今は冷気を感じた。室温が急に下がっている。 「……な…に…」 ガチガチと歯が鳴る。 同じように。 ヒュゥ、と。 風が“鳴った”。 ポタッ… 「 !! 」 赤い液が白を侵す。 パタタッ…… それは次々と絶えずに降ってきた。雨のように。 いや、雨だったのだ。 「…血の…雨……っ!」 顔をも濡らす生臭い液体。 あたしは焦点が定まらなくなった。  
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