オマケ Ver.1

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  何事かと思った。 起こる事象全てがあたしの範疇を超えている。 何も、為すことができない。 ぶるぶると震える手の甲で顔を拭い、少し落ち着いて開いた眼に――悪夢が映る。 「……ぃヤっ…!!」 手で再び眼前を覆う。 ゴツリ。ガン。ゴリッ…。 連鎖するように音が鳴る。 あたしは、叫びすらできなかった。 恐ろしさに身が竦む。 たった今不意に墜ちてきた“それ”は限り無く人間のそれであるカタチを持っている。 だくだくと漏れる赤黒い粘着のある液体が流れ出す。 吐いてしまいたい。 『人間』が… …墜ちてきた。 それは自分の末のようで、 よくわからなかったけれど、 自分と同じモノだった。 真っ白の部屋の中では異質で、 唯一生きていた証を持っていた。  
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