#2 呪転

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  「わぁっ!?」 チュンチュンと鳴く小鳥たちが微笑ましくも感じる朝。 少なくともあたしは今起きたし、11時でも昼だとは感じない。 陽の光が、窓から軟らかく差し込んでいた。 「…ふぅ…っ」 そんな清々しい環境に置かれ、平和だと言うのに、あたしは全身汗に濡れていた。 べたりと肌に服が着く。 寝起きは最悪だった。 しかし、何故かはわからない。 「…夢見たっけ?う~…」 暫く唸る。 が、ここはあたしだ。 「ま、いっか♪」 楽観的に生きて行こうとしている小6である。 「千夏~?いい加減起きなさいっ」 母の声が下から聞こえる。 あたしはふわぁ、と一つ欠伸をして、 「ん、今行くっ!」 そう言って階段を駈け下りた。  
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