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食卓に付いて母に手を振ると、
「おはよう。…まったく、お寝坊さんねぇ」
楽しげではあるが、叱られた。
この母を持ててよかったと最近思う。
ふ、と違和感を感じた。
「いただきます」と言ってご飯をかき込むも、何かがおかしい。
何か――と首を傾げ、柔らかく炊けた白米を見つめる。
そして気付いた。
何故気付けなかったのか。
「……ねぇ、母さん?今日おかしくない?」
「え?別に何にもおかしくないわよ?」
「……。そっかぁ…」
どうやら母に変わったことは無いらしい。こんなにも違うのに。
――空気が赤いのに!
目をいくら擦っても意味がない。
母が気付かなかったということは、充血もしていないだろう。
(神サマ…こんなサービス要らないよ…)
呆れた気持ちで、そう思った。
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