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ゾクゾクと揺れる本能に反して、日常のあたしが言い聞かせようとしていた。
気のせい。
そうだよ、あれは目の錯覚。
そんなことがあるハズないと、ありえないとあたしは思いたかったのだ。
その考えが有り得ないということも解らずに。
しかし、何と思おうが体は勝手に動く。
その威圧どころか殺意を感じる雰囲気に気圧されて、あたしはジリッと後ろに退いた。
瞬間、『それ』があたし達の方を見る。
――殺られるッ……!!
生物が生まれた時より持っている本能は、あたしの精神を支配した。
“生 き 延 び た い の な ら
――…逃げろ…――”
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