第二章

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その後、あたしたちの文句(主にあたし)を、上嶋は黙って聞いていたが、このまま続けさせても埒があかないとでも思ったのか、唐突に口を開いた。   「とりあえず聞け」   いきなりだったので驚いてしまい、あたしは話すのをピタリとやめた。   「死ぬってのはだな、なにも命を奪うことだけを指すんじゃないんだよ」   「えっと…… つまり?」   稜子と大槻くんは理解しているようだ。 なんだよ、わかんないのはあたしだけか。 そういえば上嶋が、二人には説明したとか言ってたっけ。   「うん。つまりだな。この世界で魔法を使うのってなにかと都合が悪いだろ? だから、ごく自然に、この世界からいなくなるんだよ」   説明されても、よくわからなかった。
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