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(短いものを、いくつか) あまりに汚い世界に、汚い気持ちを吐き出しそうになった 世の中は汚いものに溢れている 勿論、そこに巣くう自分も汚い 思考は果てない 先の見えぬ真っ暗なトンネルのように、 或いは底の無い沼のように、 何処へ続くか知れぬ天のように、 そして私を蝕むのだ 思考の波に呑まれてしまえば、そこはもう闇でしかない 昼下がりの麗らかな陽気が全く似合わない、無機質な火葬場 君を灰へと変えた煙が立ち上ってゆく様を見上げながら、僕も一緒にあの青空に消えてしまいたい、と 一人呟いても虚しいだけだった あなたの誘いを断って 次の休みはいつ、と聞かれても さあね、としか答えなかった 素っ気無い態度をとって 突き放したのは、あたし だけど今更 会いたい だなんて、我侭 未練がましいのは私の方ね 死の直前、民は這いつくばりながら何度も祈りを叫んだ 成り振り構わぬその姿は、あまりに惨めであった しかしその叫びを聞き届けたのは、神(主)ではなく悪魔(神)だった  
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