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彼らは蛮族と言われるが獣じみたところは無く、むしろ優雅だ。顔立ちは双子と比べると人間に近く、より逞しい体格をしている。きっと狼のように颯爽と草原を駆け抜けるに違いない。
「もしや、アーバスのおちびさんではなかろうか?」
双子は彼のその言葉に酷く憤慨して抗議した。
「おちびさんじゃないよ。成人の儀も済ませたんだよ」
「全く!」
オシムは豪快に笑った。
双子に続いて後の四人も自己紹介した。蛮族らはそれぞれ軽く腰を折って挨拶をする。
「北域とは我らにとって未知なる世界、本来ならば我らの野営地に招いて根掘り葉掘り話をうかがいたいところなのだが……」
蛮族達は申し訳なさそうに見交わした。
「今年は作物が不作、家畜も痩せていてなかなか食うことができない。狩りをしても獲物は少なくてな。狼や熊も飢え、今年だけでも七人食い殺された。どこへ行かれるのか?」
「タヒチ・ドーラだよ」
双子は何ともないように答えた。
「それなら明日には到着できるな。では、今夜我らがあなた達の眠りを守ろう。獣払いをすれば安心できようからな」
バーバラは迷惑をかけまいと断りかけたが慌ててウィーナが止めた。目で本当に何も言わなくてよいことを伝える。
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