恋待月夜

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 そんなココロの中の葛藤をエンドレスで繰り返していたら、ようやく眠気が降りてきた。    『……今、何時?』  携帯のディスプレイを開けて時間を見てみる。  午前4時。  驚いて立ち上がってみる。  空の色はあまり変わった感じがないとばかり思っていたけれど、住宅街の家々の形がうっすらと分かりかけていた。    『もぅ、朝じゃない』  月も、少しずつ透け始めてる…。    『どうせ、あなたはきっと、何も気付いてないんでしょ』  また月を通してあの人に語りかける。    あ~あ……。  神様、お願いです。  一度でいいから、あの人とお揃いの夢を見させて下さい。      『届くハズ、ないか』  祈るだけ祈っておいて、この一言もないか、なんて思ったんだけど。  何となく、頼れるモノなら何でも頼りたいなって思ってしまうあたしって、情けないなぁ……。
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