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「…マジだよ」
「…馬鹿!なんでそんなことした!?
学校で問題になってるし、お前処分受けることになるんだぞ!?そんぐらいわかんだろ!
お前、そんなガキみてーなことするやつだったのか!?」
一気にまくし立てて、縁は息をついた。
新井を信用して、新井なわけない、と思いこんでいた自分が馬鹿みたいだと思った。
自分が勝手に信じていただけなのはわかっているが、新井に裏切られた、と感じてしまった。
新井はしばらく俯いたまま黙っていたが、
ははっ、と低く乾いた笑いをして立ち上がった。
「…やっぱ、ゆかりちゃんもセンセイだね」
「……?」
「もうゆかりちゃんに絡まないことにするよ。
ゆかりちゃんも迷惑でしょ。
…じゃぁね、バイバイ」
「…ちょ、待てよっ
……新井!」
突然ドアに向かって歩きだした新井を、縁は焦って呼び止めたが、新井はそれを無視して縁の部屋を出ていった。
ドアが閉まったが、縁はすぐ新井が戻ってくる気がして、その場から動けなかった。
「な…っ、んだよ!」
なんだよ。先生だねって。
俺のこと、なんだと思ってたんだよ。
先生だよ、俺は。
てか、誰でも怒るぞ。
立ち尽くしたまま、縁は拳を強く握った。
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