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外に出たものの、新井がどこに行ったのかわからなくて、縁はとりあえず大通りに出た。
携帯の番号ぐらい聞いておけばよかったかな、とため息をついたが、今そんなこと言っても、と思い直して、とにかく新井が行きそうなところを必死に考えた。
たぶん、家には帰ってない…。
あ、あのクラブとか…?
喧嘩した、という市街のクラブ。
新井はいつもあのへんで遊んでいるのかもしれない。
駄目元だったが、縁はちょうど向かってきたタクシーを止めた。
新井を見つける自信はなかったが、新井に嫌われたままではいたくない、という気持ちが縁を動かしていた。
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