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彼岸の花
凪<な>がれる羽根
そよぎ落ちる
いつか見た景色
水面に触れ広がる波紋
空<くう>を切り落ちた花びら
赤い彼岸が落ちる
掬い上げた時
あなたを思い出す
散り逝く姿が似ていて…
死別<わか>れて
(淡い願いが消えた)
最後の笑顔が頭から離れずいて
零れる雫何を思うか
赤い彼岸が舞い空に
また水面に戻り静寂をかき乱す
空を逝く鳥は空の
果てを知るのだろうか
ならば私の声を
あの人に届けて
さよなら…と
(あなたを愛していました、その日々は忘れません)
(ただあなたがいない現実に耐えられず、私はまた涙を流します)
(あなたは今どこに?私を見てくれていますか?)
(それならばせめて…私を抱きしめて下さい)
私はそれであなたと別れられるから
流れる彼岸は河を下る
黄泉の先まで流れてく
その一つがあなたに
届くと信じてもいいですか…?
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