フクムシ

二匹目

「あの…、社長、すこしこの虫に食べられてますが手紙が…。」

俺は秘書からバッと奪い取ると手紙を読んだ。

『これは“フクムシ”の卵です。これは“罪”を犯したことがある人に送っています。思い出せない人は思いだしてください。そして、フクムシを大事に育ててください。大事に育てたモノにはそれなりの恩返しがあります。もし、その逆をや』

前にも読んだ記憶がある…。

罪…、確かに罪を犯したがこの虫を大事に育てれば恩返しがくる…。

そうならば、どのような恩返しが？金か？名誉か？

あぁ、こんな素晴らしいものを何故ほったらかしにしていたのか…。

俺はすぐさまこれを大事に育てることに決めた。