二匹目

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『あんたは俺に名前すら付けなかったくせに…。』 過去に聞いたことのある声が繭の中から聞こえた。 「な、名前?名前如きで?」 『名前は大事…。名前がなければ呼べない…。しかし、あんたは付けなかった…。それは俺と関わろうとしなかったから…。』 繭にピキッとヒビが入った。 『しかも、あんたはフクムシのフクは何だか分かっていない…。』 「分かっているぞ…。福を招く虫でフクムシだろ?」 すると、繭から人の手が出てきた…。 『ハズレ…。復讐のフクだ…。』
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