一・八匹目

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私には彼のその笑顔がいつまで続くか不安だった…。 彼はいつか居なくなってしまうのではないかと…。 これは、夢で…、ある日突然目が覚ますとまたあのつまらない寂しい日々に戻ってしまうのではないかと…。 「なんだよ…。そんな不安そうな顔して…。海外だからか?大丈夫だって…。」 「大丈夫じゃないよ…。まーくん…、もう私の前からいなくなったりしないよね…。」 彼は優しく微笑んだ。 「なんだよ…、急に…。大丈夫だってば…。」 全てが夢ならこの言葉も…。 「これは…本当に夢じゃないんだよね?」 「結婚式のときにも言ってたな…。大丈夫…、夢じゃないよ、由香。」 疑り深い私を許してください…、神様…。 でも、本当に今、夢の中にいるみたいに幸せなんですもの…。
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