第1話

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―今週から体育祭の朝練しようって約束してたのに❗すっかり忘れてた💦―   千夏は自慢の健脚でかっ飛ばします。そのペースで走れば10分とかからず学校に着くでしょう。   「はぐっはぐっ❗もぐもぐ…」   恐ろしいことに、千夏は全速力で走っているにも関わらず、口にくわえた食パンを食べていました。そのまま走りながら食パンを半分ほど食べた頃   「んむ❗」   千夏の目にある光景が飛び込みます。 それは30メートル先の交差点からのびる長い横断歩道、そして点滅を始める歩行者信号…   ―このペースじゃ間に合わない❗でもあの信号で足止めされたら授業に間に合わない❗―   千夏はここでさらにもう一段階速度を上げます、食パンが強い風に押され持ち上がり、自家製のベリージャムが千夏の顔にくっつきます。
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