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「どうしたの休みなの?」
お盆や、お正月のまとまった休みにしか顔を出さない娘の電話に母親は驚いた。
「うん違うけど、とにかく明日帰るから」
電話で色々聞かれると説明しづらいと思い、何も話さずに電話を切った。
『お父さんもお母さんも怒るんだろうな』
心配している両親に橋本との付き合いを断った事、会社を辞めた事を言ったらどんな顔をするか
想像するだけでも気が重い・・・
何からどう話すべきか
梨佳子は頭が痛かった。
『橋本さんに言われたけれど、好きな人・・・なんて言ったら呆れられるんだろうな』
次の日梨佳子は少ない荷物を片手に実家に向かった。
ピンポン”
実家のインターホンを押す指が心なしか重く感じる。
家に入ると久しぶりに帰る娘の為にたくさんの料理が用意されていた。
梨佳子が帰ってきてウキウキしている母は当然のように梨佳子に尋ねる。
「橋本さんとはお話を進めてるの?」
「お母さん、その事なんだけど・・・」
『すぅ~』
大きく深呼吸を一回。
梨佳子は先延ばしにしてもしょうがないと、素直に話す覚悟を決めた。
「私、橋本さんとお付き合いをするのをお断りしたの」
楽しく食事をしていた食卓は一瞬、時間が止まったように凍りついた。
「えっ?!」
「梨佳子 今なんて言ったの?!」
「橋本さんとお付き合いするのをやめました」
「何で?!何があったの?うまくいってたんじゃなかったの?」
母親は食事の手を止めて梨佳子に言った。
「・・・・。」
「私 好きな人ができたの」
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