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色んなことに追い込まれれば追い込まれるほど廉をどんどん好きになって、1日声を聞かないだけで寂しくて・・・
『橋本さんの声を聞いたら、余計に専務の声が聞きたくなった、喋りたいのは橋本さんじゃないのに・・・』
梨佳子は1時間以上お風呂に入り、あがった頃には12時を過ぎていた。
『電話してみてもいいかな・・・』
梨佳子は仕事の用事で電話をする事があっても私用での電話はほとんどした事がなかったので、
どのタイミングで電話をしていいのか分からない。
『遅いかな』
結局、携帯電話に廉の名前を表示させてから30分経ってしまった。
♪~♪~
「どうした?」
『まだコール2回なのにっ』
電話から聞こえてくる「どうした?」ただの4文字の声は1日あったことを全部忘れさせてしまうほど癒される声だった。
「遅くにスミマセン まだお仕事ですか?」
「いやっ、もう終わるところだよ」
「そうですか・・・」
「そうですか・・・って電話くれるなんて何かあったの?」
「いいえっ何でもないんです。」
「Um・・・寂しかった?」
「・・・。」
「今から行こうか?」
「いいえっ いいんです。そんなつもりで電話したんじゃないんです。お疲れ様でしたっ オヤスミなさいっ」
「待てよっ もう切るつもり?!」
「何日も会ってなくて、やっと梨佳子さんから電話してきたと思ったらお疲れ様、おやすみなさいで終わり?酷くない」
「お疲れなのに遅くに電話して申し訳ないと思って。」
「そんな事を気にしてくれるくらいなら、『会いたい』って言ってくれる方がマシだけど」
「・・・。」
「早く帰って休んでくださいね 遅くにスミマセンでした、おやすみなさい」
『疲れてるのが分かってるのに会いたいなんて言える訳がない。』
でもこれ以上廉の優しい声を聞いたら思わずワガママを言ってしまいそうで一方的に話して電話を切った。
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