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「また泣いてたんでしょ!」
「何かあった?」
梨佳子は実家の事や橋本の事は一切口には出さず、
首を横に振った。
「会いたかった?」
少し微笑んで首を立てに振った。
「もう! 早くそう言えよっ」
梨佳子は抱きしめられた廉の腕を少し緩め顔を上げて廉の顔を見た。
疲れた顔をしているのに、急いで来てくれて嬉しい反面
申し訳なくも思ってしまう。
「かなり疲れて・・・」
梨佳子が言いかけた口を廉塞いだ。
先に言いそうな事が想像できたので・・・
「Umンッ・・・」
廉も梨佳子も離れている事が不自然だと思うくらいお互いの存在が大きくなっている。
ソファーに座った2人はお互いを確かめ合うように抱きしめあった。
「・・・。」
「忙しいのはまだ続くんですか?」
「うん、まだ少し続きそう」
「・・・。」
「NYが落ち着いたらマシになるけど」
「NYは専務が全部任されたんですね」
梨佳子の頭の中から寂しかった気持ちがバッと消えたようだった。
「梨佳子が会社にいてくれたら・・・」
「そうですね~何かお手伝いしたかったです」
「俺に何の相談もなく勝手に辞めたくせによく言うよ#」
「お手伝いする事があれば言ってくださいねっ」
廉は少しスネて・・・
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