第1章

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手が触れてしまいそうで… よけたら眠ってる廉が起きてしまいそうで… そのままにしておいた。 「運転手さん、スミマセンが先に…」 梨佳子が言いかけたら、 余計な事を言うな! と言わんばかりに腕をグッと押された。 『起きてる!?』 重なってる腕が急に恥ずかしくなって、 『離れてよ!!!』 と言いたくなった。 梨佳子のマンションに到着した。 「ありがとうございました。お疲れ様でした。」 「お疲れ様~」 とだけ言ってドアが閉まった。 梨佳子は車が見えなくなるまで見送って、 あまりの帰りのあっけなさに虚しくなった。 「だよね・・・」 うつむき加減でマンションに入った。 会社では・・・・ 廉が企画したプロジェクトが大詰めになって前にも増して毎日がバタバタモード。 廉と仕事以外で会話する事もなくなっていた。 「コーヒー!」 廉が通りががりに梨佳子のデスクをノックした。 今日はまともに顔を見るのが初めて!?なんて事もザラ。 廉の担当の大きなイベントが終わって会社に戻って来た。 「みんな~長い時間お疲れ様!」 「皆が協力して頑張ってくれて大成功だったよ!ありがとう~」 秘書課に大拍手の音が響き渡った。 「今日は打ち上げするぞ!!!」 廉は参加した皆に言った。 「やった~♪」 営業課も秘書課も疲れた顔をしていたのに、突然元気になってハシャぎ出した。 課長は早速人数を数えて店の予約をしている。 「営業課も秘書課も自分の作業が終わり次第○○に集合!」 課長が言った途端急に皆の仕事のピッチが上がり、終わった者から現地に向った。 いつも打ち上げに使う店なので梨佳子は後片付けを済ませて皆より少し遅れて現地に向かった。
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