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「宜しく~」
廉は女の子達に手を振りながら歩いていた。
「明日からは、こちらが専務のお部屋になります。」
梨佳子は机と革張りソファーしか置いていない専務室のドアを開けようとしたら…
「俺の部屋もなかなかいいね~!!秘書課の女の子達は見えるし~」
廉はソファーにカバッ=Зと音を立てて座った。
『こんな人が専務・・・』
と梨佳子は呆れてしまった。
「社長がおっしゃってた買い物に参りましょうか…」
「え~~~~っ買い物ならあの女の子達と行きたい=3」
専務室のブラインドに隙間を開けて覗きながら言った。
『ふざけんなぁ!!!』
梨佳子はソファーを蹴りたくなりながらも無視して先に部屋を出る。
「こちらが専務の専用車です。」
会社の玄関には大きな黒塗りのベンツが止まっていた。
運転手が廉の方のドアを開け
2人を乗せた車は社長が好みそうな店に向かって走った。
とにかくスグに着れる物を10着ほど選び、ネクタイなども廉の意見は全く聞かずに社長の好みそうな物だけを揃え、
嫌々着替えた廉がフィッティングから出て来ると…
パッと回りが明るくなったかのように、廉は別人になっていた。
さすがは金持ちの坊ちゃんだけあってスーツを着せたら何と品のいい~
先ほどまでの馬鹿息子の影は微塵も感じない。
梨佳子はあまりの変貌ぶりに少しの間、見とれてしまった。
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