第2章

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「おやすみなさい・・・」 「お休み。」 廉は優しく笑って手を振った。 梨佳子は後ろ髪を引かれる思いで廉の車を降りてマンションに入る。 廉は梨佳子が入るのを見て車を出した。 『専務いつもと違ってたな・・・そう思いながら眠りについた。』 次の日・・・ ♪~♪~ お昼前にデスクの電話が鳴った。 社長からのランチのお誘い。 当然専務も一緒に なんだと思ったら社長と2人での食事。 会社のある街中から、少し離れた高級住宅街の外れにある和食の店。 このお店は前に何度かお供させてもらった事はあったものの・・・・ 久々に来ると「ここは京都?」 と思えるような庭に圧倒される。 「最近ゆっくり時間がとれなくて、君と食事するのも久しぶりだね~」 「お見合いはどうだったんだ?」 「気になっていたんだよ。」 廉が会社に入るまでは社長との仕事がほとんどだったので食事にお供する機会がよくあったが、ここ最近専務との仕事が多くなっていたので久しぶりの社長との食事は少し緊張してしまう。 「相手の人は気の合いそうな人だったのかい?」 「ハイ。 とても感じのいい方です。」 「順調にいってるの?」 「ハイ。ただイベントが忙しくてあんまりお会いしてないんですが・・・」 梨佳子は自分を気にかけてくれている社長に心配をかけてはいけない と思い、交際が順調だと報告した。 「順調か~嬉しいけど山内さんがいなくなったらうちの会社は痛手なんだけどな~」 「しかし良い縁談なら私も応援しないといけないな!」 「今は会社の事は気にせず自分の幸せだけを考えなさいね!!」 社長は梨佳子の結婚を本当に望んで、 「気の合う方なら進めていきなさいよ~」 と父親のように喜んでくれていた。 「社長には順調と言ったものの・・・」 梨佳子は結婚の事 本気で考えないといけないんだな~ と遠い話だと思っていた結婚話を、少し追い詰められた気分のままデスクの前に戻った。 ポン=З 「珍しく仕事に集中してないですね!?」 廉が梨佳子の肩を叩いた。
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