第3章

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橋本さんに話さないと… こんな気持ちのままお付き合いするのは申し訳ない。 『ちゃんとお断りしよう…』 梨佳子が会社の前に着いた時には橋本は外に出て待っていてくれた。 「今日は早く終わったんだね~梨佳子さんが連絡くれるなんて嬉しいよ!」 「携帯まだ直しに行ってないの…?」 「あっ ハイ最近忙しかったものですから…会社を出る時間には店が閉まっていて…」 「今日は早いから行こうよ~」 「…ハイ。」 梨佳子は壊れた物が古い型だったので新しい携帯電話を選んだ。 「僕が買ってあげるよ!」 カウンターで橋本がお金を払おうとしていて、 「自分で買いますから大丈夫です=З」 慌ててお金を出した。 「わざわざ寄って頂いてスミマセン」 「梨佳子さんの携帯がないと連絡が取りにくくて不便だったからね~」 久しぶりの橋本との食事に梨佳子は何をしゃべっていいのか… 沈黙になる事が気まずくて必死で間が空かないように喋った。 廉とは沈黙があっても全く気にならないのに、 何か喋らないと… 梨佳子は次に話す事を考えてばかりだった。 「今日は何かいいことあった?!いつもより楽しそうだから~」 「それとも久しぶりにだから喋りたいことが溜まってた?」 「えっ!?」 梨佳子は気がつくと1人でしゃべっていた。 「あっ…ハハッ そうですね。」 急に黙って下を向いた。 「やっ!そういう意味じゃないよ~いつも俺の方が喋ってて梨佳子さんはあんまり喋らないから~」 梨佳子の頭の中は、たわいのないことを喋りつつも『言わないと…』『何て言おう…』 どんな風に話したらいいのか考えている間に食事の時間が終わってしまった。
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