第4章

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今さら隠れる事もできず ・・・・! 智美はフリーズしたまま声も出なくなっている。 廉はヤバイ!という表情でもなく・・・ ただ、こんな所で会ってしまった 程度。 「・・・・。」 「お疲れ様!」 廉は平然と智美に挨拶をした。 「あの梨佳子っ 結婚を止めたい理由はもしかして・・・専務の事なの?!」 智美はようやく口を開いて、 梨佳子は黙ってうなずいた。 智美は自分の前に2人並んだ光景を呆然と見ていた。 「梨佳子さんは会社まで辞めて僕を切り離そうとしたんだけど、結局僕がこうやって追っかけてしまうから・・・梨佳子さんのせいじゃないんだ。」 「・・・。」 少し経ってから 「お鍋一緒に食べませんか?」 智美が急に空気を変えた。 「あっあ・・・」 梨佳子は廉の分を慌てて用意して3人で鍋を囲んだ。 「専務・・・これからどうするんですか?」 智美は上司の廉にひるむ事無くダイレクトに切り込んだ 「梨佳子の一生かかってますよ!」 「分かってる」 「ただ・・・今スグに結婚とか動ける状態ではないから、もう少し待ってもらわないと・・・。」 「・・・。」 「専務は若いからそれでいいかもしれないですが、梨佳子の年齢を考えて行動してくださいねっ」 智美は専務と言えど、梨佳子の友達として厳しい口調で廉に言った後、気を遣って食事が終わってスグ席を立った。 「梨佳子・・・ちゃんと考えなよ!」 「じゃ、おやすみ」 智美は複雑な笑顔で帰って行った。 「スミマセンでした。」 梨佳子は廉に謝った。 「何で謝るの?勝手に来たのは俺だしっ 全然いいんじゃないの?」 「もう言ってると思ってたけどっ 会社の中でこそこそ付き合ってるわけではないしね!」 「でも・・・」 廉は本当に気にしていない様子で、食事を続けていた。
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