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結局食事の間中話し出すタイミングをつかめないまま、
デザートが運ばれて来た。
「あの・・・・」
「どうしたの?」
橋本はデザートを口にしながら梨佳子の方を優しい笑顔で見た。
「あの・・・私会社辞めたんです それで・・・」
「そうかぁ じゃ、早速日取りを決めていかないといけないね~♪」
「やっ あの そうではなくて・・・」
梨佳子は仕事の事なら物怖じせず何にでも自身を持って行動できたのに、廉を好きになってからか
何故こんなにハッキリと言葉を口にできなくなったのか・・・
自分でも情けなくなるくらいだった。
梨佳子はもう一度大きく息を飲み込んで、
「橋本さんとの結婚はお断りしようと思って、今日はそのお話に来ました。」
「本当にスミマセン。」
橋本は食べている手を止めて梨佳子の顔を見た。
「どういう事?!何があったの?」
橋本の顔から一切の笑顔は消えたものの、
声を荒げる事も無く冷静に聞き返された。
~~~~~~~~~~~~~
20:00~
「おかけになった電話は・・・」
「アイツ#いつまで携帯切ってるつもりだよっ」廉は怒りと共に梨佳子に何かあったのでは・・・と不安になってきた。
『やっぱり何と言われても付いて行くべきだった。』
専務室で1人、何も手に付かずただ梨佳子からの電話を待ち続けた。
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「何かあったとかじゃないんです。」
「じゃ?!僕が何かした?」
「いえっ、橋本さんにはよくして頂いています・・・。」
「会社を辞めて、結婚も止めたいって・・・どういう事?」
橋本の言葉は少し強くなった。
「とにかくここを出よう!」
橋本は冷静さを取り戻すように、梨佳子とは目を合わさないまま店を出た。
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